“トライアングル・オブ・ライフ”は危険! 地震で生き延びるための3つのポイント

台湾では地震が頻発しており、日常的に揺れを感じることも少なくありません。特に1935年の関刀山地震や1999年の921大地震では、千人以上の犠牲者を出しました。この現実は、なぜ台湾でこれほど多くの地震が発生するのかを私たちに考えさせます。

プレート境界

台湾は地理的に特異な位置にあり、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に位置しています。両プレートがずれ動き摩擦することでエネルギーが蓄積され、ちょうど二つのレンガを強く押し合って静止している状態に似ています。その力が限界を超えると、一気に断層がずれたり衝突したりして大きな揺れを生じ、これが台湾で大地震が発生する主な原因となっています。

沖縄トラフの拡張

台湾東北部に見られる地震の一類型は、沖縄トラフの拡張によって生じます。これは蘭陽渓上流から宜蘭を経て琉球諸島へと延びる地域で発生し、浅い震源を特徴とします。また、この拡張に伴い地熱活動や火山活動も観察されます。台湾の地理的位置と特殊な地形により、地震発生時には地震災害に関する情報伝達が非常に迅速に行われます。政府の地震通知に加え、民間でも対応情報が共有されることが多く、いわゆる**「トライアングル・オブ・ライフ(黄金の三角形)」に関する情報もこうして広まったのです。

 

なぜ「トライアングル・オブ・ライフ(黄金の三角形)」という説が生まれたのか?その理論の誤りはどこにあるのか?

地震について理解を深めることで、台湾が地震の多発地域に位置していることをより明確に認識できます。
この地域で暮らす私たち住民は、地震発生時の反応や対応方法を正しく知る必要があります。

しかし、正しい方法を説明する前に、まずは過去に流布していた誤った知識について理解しておきましょう。
そうすることで、将来地震に関する情報を受け取った際に、その正確性を見極められるようになります。

 

トライアングル・オブ・ライフ(黄金の三角形)

黃金金三角(3)

「トライアングル・オブ・ライフ(黄金の三角形)」は、1985年に米国国際救助チーム災害部のマネージャーであったDoug Coppによって提唱されました。
特に台湾の921大地震の後、この理論は台湾で大々的に宣伝され、地震発生時には「机や家具の横に身を寄せれば、天井や梁が落下した際に三角形の空間ができ、生存の可能性が高まる」と広く伝えられました。
 
この考え方は、一見すると論理的に見え、多くの人々が正しい方法だと信じて広めました。
しかし、実際にはその有効性を裏付ける証拠は存在しません。
地震によって倒壊する建物の構造は多様であり、必ずしも「三角形の空間」が形成されるとは限らないのです。
 
さらに、この理論は地震による最も一般的な死傷原因──物の落下や大型家具の転倒を軽視しています。
そのため、机や家具の横に身を寄せるよりも、机の下やベッドの下に身を隠す方が、被害を避ける最も有効な生存方法なのです。

 

地震発生時に正しく取るべき行動とは?命を守る三つの要訣:「ドロップ・カバー・ホールドオン(DCH)」!
 
DCHは、台湾内政部消防署災害管理組が提唱した三つの英単語の頭文字から成り立っています。
 
Drop(ドロップ):身をかがめ、倒れる
 
Cover(カバー):頭や体を守り、身を隠す
 
Hold on(ホールドオン):しっかり掴み、揺れが収まるまで動かない
 
 
以下に詳しく説明します。

DCH

 

Drop – 「伏せる」・身を低くする

地震が発生し、揺れがますます激しくなった場合は、ただちに身を伏せ、体と頭を低くし、両手で頭部を守りましょう。
これにより、落下物から頭を守ることができます。

Cover – 「覆う」・身を隠す

周囲に丈夫な机やベッドの下があるか確認し、そこに避難します。
もしなければ、壁の隅や柱の近くに移動し、手で頭と首を守り続けます。

Hold on – 「しっかり掴む」・体を安定させる

両膝をつき、机の脚を掴んで体を安定させ、手は頭と首から離さずに揺れが収まるのを待ちます。
このとき、もし調理中で火を使っている場合は、揺れが弱まったのを確認してからできるだけ早く火を消すことが重要です。

また、建物が深刻に損傷していると判断した場合は、準備してある防災バッグを持って避難しましょう。
そのような状況でなければ、屋内に留まり、揺れが完全に収まるまで待機します。

 

日常生活での防災準備をどう考えるか?

災害は、何の準備もしていない瞬間に突然訪れます。
そのとき人は思考が真っ白になり、パニックに陥り、非合理的な避難行動を取ってしまう可能性があります。
結果として、生存率を下げてしまうことにもなりかねません。

この事態を避けるためには、地震が来る前から十分な準備をしておくことが不可欠です。

普段から、家の中で机やベッドの下が堅牢で、十分な避難空間があるか確認する

日常生活の中で、DCH(ドロップ・カバー・ホールドオン)の訓練を習慣づけていますか?

防災用品や食料を揃え、防災バッグを作っておく

こうした日常的な備えがあれば、災害時でも冷静さを保ち、正しい行動を取ることができ、生存率を大幅に高めることができます。

 

 

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